こんにちは。エンジン&シャシー班の猪口です。
フレームの解析を担当していますので今日はそのお話をしましょうか。
私が今やっているのはレギュレーションで大きさが決まっているサイドインパクトを今設計しているフレームが耐えられるかの確認です。鉄の塊(インパクタ)を「ぶつけた」時のフレームに生じる応力や変位をPCに計算してもらい、結果を考察する感じですね。
こんな感じです。
解析…というと難しそうで格好いい響きですが、現実はただソフトに計算をお任せして「理想的な実験」を模擬しているだけです。ぶっちゃけ楽です。ソフトごとの仕様の違いとPCスペックに苦しむ以外は。
Q.そもそも解析ってなんでやるの?
A.実験の回数を減らし開発のコスト・時間を削減するため。我々は試走以外ほとんど実験は行わないと思いますが、メーカーの開発チームは部品単体・アッシー両方で実験⇄再設計を日々繰り返しています。それが大変なので少しでも楽になるよう各分野(強度・熱・空力・電装など)で解析を導入しています。
Q.解析が実験の代わりになるなら実験は不要?
A.絶対に必要です。解析はあくまで計算で近似された「理想」ですので現実は100%その通りにはなりません。解析を使うことで実験結果の予想がしやすくなる、設計方針が立てやすくなる利点はありますが、必ず最後は実験を行い検証します。
とまあ他人から聞いた話の受け売りですが、実験は大切なんです。忘れないでね。
最近の3DCADには簡単な強度解析が初期装備されているようでいい時代になったものです。学生向けInventorやSolidworksにも備わっていますのでみんなも使ってみよう!意外と簡単だよ!
(補足:「強度解析」といっても近似の方法は沢山あります。FEM(有限要素法)については学部に入ってから触れると思いますが、中身の計算は大学院レベルですのであまり深く考えず、ブラックボックスのまま使うのもありかと。気になったら調べてみてね。)