Student Formula Japan

「学生フォーミュラ」の起源は1980年代のアメリカ。
学生の創意工夫を発揮させながら、エンジニアとしての能力を育成できる競技の場として、Formula SAEⓇが始まりました。
その後イギリス・オーストラリア・ブラジル・ドイツなど世界各国に広がり、日本もその例にもれず、2003年に自動車技術会の企画により「全日本学生フォーミュラ大会」が誕生しました。

「全日本学生フォーミュラ大会」はアメリカのFormula SAEⓇ大会に準拠したルールになっており、「学生達の想像力と創意工夫を設計において最大限表現する事ができるよう」、安全要件を除いた設計上の制約は必要最小限となっています。

一般要件

  • タイヤがカウルで覆われていない、オープンコックピットのフォーミュラスタイルの 4 輪車両。
  • ホイールベース1525mm以上。トレッドは、フロント又はリアの大きい方に対して75%以上。ホイールは 8インチ以上。
  • ボディワークはコックピット開放部に対する要件を除き、車両前端からメインロールフープまたはファイヤーウォールに至る間のドライバーコンパートメントに、開口部があってはならない。
  • 横転・正突・側突時にドライバーを保護するために、フロント・リアのロールフープ、バルクヘッド前方のクラッシュゾーン、サイドプロテクション、フレームメンバー等について構造・材料など詳細を規定。
  • ブレーキは4 輪すべてに作動し、独立した 2 系統の液圧回路を有すること、ブレーキペダルのすっぽ抜け時、それを検知し、エンジン停止するスイッチを装備の事。
  • 拘束システム(5又は6点式シートベルト)、保護用具(ヘルメット、スーツ、手袋など)、視認性、ヘッドレスト、ドライバー脱出5秒以内、転覆安定性、防火壁、消火器について詳細を規定。

ICV (内燃機関自動車)

  • 4サイクルエンジンで排気量710cc 以下。
  • オリジナル設計の過給機の装着は可。リストリクター(吸気流量制限装置)の最大直径は20mm。
  • 排気音量は、排気口から水平面45度、50cmの位置において所定の回転数で110dBC以下。
  • 燃料タンクは、メインフープとタイヤを結ぶ面の内側に装備。

EV (電気自動車)

  • 最大公称作動電圧は600VDC。
  • バッテリーからの最大電力は、100msを超えて連続的に 80kWより多く使わないこと、もしくは500msの移動平均値が80kWを超えないこと。
  • 回生は許されるが時速 5kmを超える車速で作動すること。

競技種目は大きく二つに分かれており、コスト計算やマーケティング戦略などを評価される静的審査と、車両の運動性能を評価する動的審査があります。

種目 概要 配点
車検 【技術検査】ルールに定められた車両の安全・設計要件の適合性確認、【チルト】車両45度傾斜で燃料漏れ確認、ドライバー 乗車し車両60度傾斜で転覆しないことの確認、【騒音(ICVクラスのみ)】所定の条件で排気音レベル確認(110dBC以下)、 【ブレーキ】4輪ブレーキ(4輪ロック)を確認・検査、【レイン(EVクラスのみ)】絶縁がされているかを確認。
静的審査 コスト コスト計算は、生産活動を行うにあたり考慮しなければならない重要な要素です。学生は年産1000台を仮定したコストテー ブルに基づき事前提出書類を提出し、コストの妥当性を審査します。また、リアルケースシナリオでは指定した部品の製造 工程などの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価します。 100
プレゼンテーション 学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い。『市場要求に合った車両の製造・販売を含むビジネスプランを会社 役員へ納得させる』という仮想のシチュエーションで行います。 75
デザイン チームからの事前提出書類と車両をもとに、設計の適切さ、革新性、加工性、整備性、組立性などを口頭試問により審査 します。 150
動的審査 アクセラレーション 0-75m 加速性能を各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回、計4 回走行し競います。 100
スキッドパッド 8 の字コースによるコーナリング性能を各チーム 2 名のドライバーがそれぞれ 2 回、計4 回走行し競います。 75
オートクロス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 800mの複合コースを1周走行します。各チーム 2 名のドライバーがそれ ぞれ2回、計4回走行し、タイムを競います。 125
エンデュランス 直線・ターン・スラローム・シケインなどによる周回コースを約 20km 走行します。各チーム 2 名のドライバーが中間点で交 代して走行し、走行性能、耐久性など車の全体性能と信頼性を競います。 275
効率 エンデュランス走行時の燃料・電力消費量を評価します。 100
その他 車重計測、騒音・排ガス測定〔ICV(ガソリン)クラスのみ〕を実施します。
合計 1000