皆様こんにちは、UTFF電装班の高橋です。
大会で忙しくなってしまいましたが、以前にJLCPCB様よりご支援いただいていたプリント基板についてのご報告です。

今回のオーダーには、基板だけでなくステンシルと呼ばれる金属板も一緒に含まれています。
今回の記事では、せっかくなのでこのステンシルについてお話ししたいと思います。
ステンシルは0.1mm程度の薄い金属板にたくさんの穴が開いた構造をしています。この上から細かい砂のようなはんだとフラックスを混ぜた「ペーストはんだ」を塗ることで、ステンシルの穴の位置にだけペーストはんだを塗ることができます。
このペーストはんだの上に部品を乗せて基板ごと加熱することで、細かいはんだ付けを大量に行うことができるのがこの「リフローはんだ付け」と呼ばれる手法です。
本来は工場での大量生産に多用される手法ですが、JLCPCBのような基板業者にステンシルを作ってもらうことで、我々でも簡易的にリフローはんだ付けをすることができます。

まずは基板を固定します。
ステンシルが歪まないように、同じ厚さの他の基板を使って周囲を囲み、高さを合わせるのがコツです。

基板の上にステンシルを固定します。
基板を固定する際もそうですが、マスキングテープを使うのがおすすめです。

ペーストはんだを塗ります。
ステンシルの上にペーストはんだを乗せ、ヘラや不要な基板を使って塗り広げます。

うまく塗ることが出来ました。

ピンセット等を使い、基板の上に部品を乗せていきます。
個人的なコツですが、いきなり位置をぴったり合わせようとはせずに、おおまかに部品を乗せてからピンセットで弾くようにして位置を合わせるのがやりやすいように感じます。

最後に、ホットプレート等を使って基板を加熱したら完成です!

JLCPCBでステンシルを発注する場合、こちらでも紹介している基板を発注するページから一緒に注文できます。
ページの下の方にある「Stencil」のトグルを入れてサイズ等を指定すれば、特に追加の製造データを指定することなく製造していただけます。
注意すべきオプションについて簡単にまとめてみました。
・Framework, Step Stencil:Noでよい。大型の機械にステンシルをセットする場合には必要らしい?
・Nano-Coating:ステンシルを何度も使いまわせるように耐久性を上げる加工。私はまだ試していませんが、確かに無加工だと10回ぐらいが限度に感じます。
・Stencil Side:基本的には表面だけ指定すればよいですが、基板の設計に合わせて指定しましょう。
・Dimensions:Custom Sizeを指定し、基板外形+10~20mm程度に設定するのがおすすめです。(デフォルトの大きさだと大きすぎて送料が高くなる)
・Polishing Process:普通の基板ならばSandingで十分。一方で0.5mmピッチのICなど、細かい部品がある場合にはEtchingかElectropolishingが推奨されています。
これらに気を付ければ、思った通りのステンシルが手に入ることでしょう。
最後になりますが、JLCPCB様、いつもプリント基板・ステンシルのご支援有難うございます。
引き続き弊チームをよろしくお願いします。