こんにちは、チームリーダーの小池です。
先週土曜は関東工大様にダイナパックをお借りしました。
エンジン班の上田さんと電装の村上さんがターボ搭載エンジンの始動を成功させたので、今回はパワーカーブを取ることを目的としていました。
この日のために、電装では僕がCVTコントローラをユニットにまとめ、村上さんはターボの配線のほかLTC(Lambda to CAN)モジュールを自作しました。
ずっとラムダセンサーが不調だったのは、どうやらMoTeCのラムダ用の電流計測端子が壊れたためだったようで、抵抗を介して計測したい電流に比例した電圧をマイコンで読み、CAN通信によりMoTeCに送信したところ、ある程度正しく読めるようになったとのことでした。
以前のコントローラが壊れて以来久々にCVTが動くようになり、またここ1年くらいで初めてラムダセンサーが読めるようになり、エンジンも電装もかなり万端の準備で臨んだのですが、当日はダイナパックを装着して始動後、そう経たないうちにマシンをひどく破損してしまいました。
始動後、エンジン回転数とハブ回転数を合わせようとしてCVTのギア比を徐々に上げていったところ、最高ギアに入ったあとに、大きな音とともに車体全体が上下に揺さぶられるという現象が、約1.5秒間隔で続き、Primary Master Kill Switchでシャットダウンしたところ、4回振動が観測されました。このとき、ダイナパックはspeed modeに入っていたようで、ハブ側が3000 rpm以下では無負荷、それ以上になろうとすると負荷がかかり3000 rpmに固定する設定になっていました。ダイナパックのログによると、70 kNほどのスパイク状のトルクが観測されています。
原因究明はまだ途中ですが、昨年度マシンの駆動系の設計に問題がなかったか、チェーンが山を飛ばしたとして、それはどうしてかなどを考察しています。
また、今回の事故では事前の写真だけでなく、事故直後の写真も誰も撮らなかったため、検証が困難になっています。
何かあったときのために、事前に写真に残しておき、事故後は復旧を試みる前にまず状況を写真に収めるといった単純なことを、大きな損傷と引き換えに学びました。