step.1-2 円形や穴へ寸法を記入する

次に円形の寸法表記の説明をします.
操作方法は基本的にstep.1-1と同じなのですが,ちょっと紛らわしいルールが存在します.

円形への寸法のInventor操作

直線寸法と同様に,
“注釈”タブ→寸法をクリックした後,パーツの寸法を入れたい部分をクリック,
寸法線を引き出してもう一度クリックするとウィンドウが開くのでOKを押せば作れます.

デフォルトの設定では,円形を選択した時は直径の寸法が,円弧を選択した時は半径の寸法が作成されます.

半径寸法の表し方

半径を表す時は値の前に必ずRをつけます.
とはいえ,Inventorでは半径の寸法では自動で値の前にRが付くよう設定されているので,特に気にしなくても大丈夫です.

直径寸法の表し方 -Φをつけるかつけないか-

直径寸法は半径に比べ少々複雑です.値の前に”Φ”をつける場合,逆につけない場合,または別の記号をつける場合があります.(UTFFはJIS規格準拠です)
Inventorで作図するときは手動で記号の有無をその都度変えなければなりません.

どういった場合にどのように直径寸法を表記するのか,またその方法を説明します.

直径寸法の場合分け

以下の流れにそって判別します.

加工の方法を指示したい場合はΦをつけず,値の後に加工方法を書く

UTFFで使う加工方法の指示は,”キリ“と”リーマ“の二種類です

穴加工方法指示例

キリ“:ドリルで穴を空けろという意味です.
ドリルで開けた穴は精度が悪い(完全に円形でなく,穴表面が荒く,径もピッタリでない)ため,肉抜き穴やバカ穴みたいに精度がどうでも良い穴に使用します.
例:直径10mmのドリル穴の表記:”10キリ”

リーマ“:ドリルで下穴を空けた後,リーマという工具を使って穴径や穴表面を整えろという意味です.
一手間かかりますが,ドリル穴に比べ断然精度の良い穴になります.ボルトの通る穴は基本的にリーマを指定します.ステーの穴は大半がリーマです.
例:直径10mmのリーマ穴:”10リーマ”

ちなみにここでは説明しませんが,加工指示付穴の指示方法は矢印を引っ張ってくるものもあります(画像の(a)).使える人はこっちを使ってもいいです.

②加工方法を指示しない,かつ一目見て直径を表していると分かりづらい場合は,Φをつける.

Φ付とΦ無しの直径寸法

“一目見て直径だと分かりづらい場合”というのは,具体的に以下の2通りです.

1.寸法線が片矢印で,半径と誤解されかねない場合

右の画像の赤丸で囲まれている”Φ25″という寸法がこの例にあたります.

2.側面から見た円形に直径寸法をつける場合

Φ付の直径寸法例

例えば直径10mm,高さ10mmの円柱を真横から見たら,1辺10mmの直方体に見えるはずです.このように真横から円柱を見た図に直径寸法を記入する場合は,これが円柱だと主張するためにΦをつけます.

右図のような感じです.

③加工方法を指示しない,かつ一目見て直径を表していると分かる場合は,値だけを書く.

2コ上の図の赤丸以外の寸法がこれにあたります.
円を正面から見ていて,かつ両矢印の場合ですね

まとめると,
加工方法を指示したい場合は値の後に加工方法を書く
一見直径を表していると分かりづらい場合はΦをつける
一目見て直径を表していると分かる場合は値だけ書く
この3通りで書き分けてください.

直径寸法のInventor操作

寸法線を引き出してクリックすると出てくるウィンドウに,直接文字を打ち込みます.

ウィンドウ枠内の”<<>>“が寸法の値を表しているので,
例えばΦをつける場合には”<<>>”の前に”Φ”を打ち込み,
リーマを表記する場合は”<<>>”の後に”リーマ”と記入します.

その他(ネジ穴,段付き穴,はめ合い公差つき穴)

ネジ穴,段付き穴,はめ合い公差付き穴などの場合は,また別の指示方法がありますが,ここでは説明しません.これらについては個別ページを見てください.