フレーム図面の作成方法

はじめに

ここでは、取り急ぎフレームの図面の作成方法について説明します。
より詳細・体系的な作り方については後日まとめますが、この手順に従えばとりあえず図面の作成はできるかと思います。
疑問点・問題などあればお気軽にお問い合わせください。

※スライドショー形式になっている画像があるので注意してください。

事前準備:CloudStation・Inventorの設定

図面作成にあたってはCloudStation・Inventorの設定が必須となります。未設定の方は、以下の動画を参照して設定を行ってください。

パソコンの容量などの問題でどうしてもCloudStationの設定が不可能な人は、
UTFF20.ipj」および「UTFF template&library」「Frame」(どちらもサーバーのUTFF Skywave/351.UTFF20直下にあるフォルダ)をダウンロードし、同じフォルダ内に保存して作業してください。その際、プロジェクトの設定を忘れないように注意してください。

完成形イメージ

フレーム製作のために、このような図面を作ることが目標です。
上手くいけばコスト審査用のコストレポートに使いまわせるので、丁寧に作ってもらえると助かります。

フレームは、鉄パイプを切り出し、他のパイプと突き合わせて溶接するために「エンドミル」という円柱状の工具で削ります。この削り方を指定するのが製作用の図面の役割です。

今回、かなり丁寧に作り方を説明しています。正直製作のためだけならここまでのレベルはいりません(が、コストレポートでは必要になります)。
要はパイプ各部の寸法とエンドミルで削る角度が分かればよいです。

フレーム図面の作成方法

パーツファイルの編集

端部のすり合わせの方法を描くためには、すり合わせ面を真横から見た図面を作成する必要があります。
その図面を作成するために、パーツファイル上で設定が必要です。
かなり面倒なのですが、どうにか頑張ってください。

フレームメンバのパーツファイルを開く

まずは351.UTFF20/Frame/Frame.iamを開き、画面左の「モデル」ブラウザから図面を作成したいフレームメンバを右クリックします。出てきたメニューのうち、「開く(O)」をクリックすると、フレームのパーツファイルを開くことができます。

さて、ここからエンドミルの中心軸とパイプの中心軸によって張られる面を作成していきます。この面を真正面から見れば、すり合わせのためのエンドミルの角度などを記入することができます。

作業軸を作成する

まずは赤枠の「作業軸」ツールを使い、すり合わせてできる面(緑色の面。ここをエンドミルで削ります)をクリックします。すると、その面の中心軸(すなわちエンドミルの軸)を作成できます。
これを、両端のすり合わせ面およびパイプの軸について繰り返してください。

作業平面を作成する

続いて、「作業平面」ツールを使い、「パイプ軸線」と「エンドミル軸線」の2軸(赤矢印)を選択してください。すると、2本の軸を通る平面が作成されます。
全てのすり合わせ面(エンドミル軸線)について、同様に繰り返します
これで、図面を描くための平面が作成できました。

次は、この平面に垂直な方向から見た状態を「ビュー」として保存します。

まずは、画面左のブラウザ上部にある「モデリング」をクリックします。その後、「ビュー:○○」を右クリックし、「新規作成」を選択します。これにより、新たな「ビュー」を作ることができます。

続いて、画面右の「ビュー正面」を選択し、先ほど作った作業平面(の枠)をクリックします。これにより、選択した平面が画面と平行に配置され、その状態が「ビュー」に保存されます。

この後、再びビューを「新規作成」し、「ビュー正面」を選択することを全作業平面について繰り返します。

DWGファイルの編集

(必須)DWGファイルの作成とビューの配置

ここからは実際に図面ファイルを作成していきます。

ファイル→新規をクリックするか、以下のように「モデリング」ブラウザでパーツ名を右クリックして「図面ビューを作成」するかして、DWGファイルを作成しましょう。standard A4.dwgstandard.dwgの2つのテンプレートがありますが、おそらくA4で十分です。

DWGファイルを開いたら、「ベース」からベースビューを配置していきます。
この時、「デザインビュー」から先ほど作成したビューを選択しましょう。スタイルは画像の通り「隠線」を選択し、尺度はドロップダウンリストから適切なものを選びましょう。
これを各ビューの数(=作業平面の数)だけ繰り返します。ビューによって描画が変わらない場合、「デザインビュー」の右側の歯車マークをクリックし、「カメラビュー」にチェックを入れましょう。

一番上の図には側面図を付けます。左上の「投影」をクリックし、ビューをクリックして右側にカーソルを持っていきます。その状態で一度クリックすると、緑色の点線の枠が作成されるはずです。その後、右クリックして「作成」を押すと、側面図ができます。

ベースビューの配置が完了した様子です。ここで、赤枠にある「中心マーク」と「二等分中心線」を使って、円周やパイプの2辺をクリックすることで、中心マークと軸中心線を書き込みます。円柱・円筒形の部分にはこの中心マーク・中心線を書き込むことを忘れないようにしましょう。

(必須)作業平面の側面図の作成

次に、このビュー平面同士が何deg傾いた関係にあるのかを記入していきます。
まずはパーツファイルに戻り、平面同士の傾きを計測していきます。
Tips: パーツファイルを開くときは、ビューを右クリックして「開く」を選択すると楽です。もちろんエクスプローラetc.から直接パーツファイルを開いてもかまいません。

「検査」タブの「計測」ツールを使って、二つの作業平面を選択し、角度を計測します。計測した角度はどこかにメモしておいてください。
作業平面が3つ以上ある場合は、各平面の間の角度を測っておいてください。

計測できたら、図面ファイルに戻って平面同士の角度を記入していきます。

「スケッチ」タブの「スケッチを開始」をクリックし、側面図のビューを選択します。画像のように、作業平面の側面図をスケッチで記入していきます。スケッチの使い方はパーツの作成と同じです。

記入出来たらスケッチを終了し、「注釈」タブの「文字」機能でビューに名前を付けていきます(本当は色々自動化できるのですが、自動化する方がむしろ面倒なので割愛します)。
平面に対して視点がある側に文字を記入してください。正面図の側にも同じようにビュー名を書きます。
文字が大きすぎる場合は、書式のところで上の画像のようにして編集してください。
また、「注釈」タブの「寸法」を使い、平面間の角度も記入しておいてください。

パイプの寸法の記入

ここからは寸法を記入していきます。
初めにパイプの寸法です。

「注釈」タブの「寸法」から寸法を記入します。
パイプの長さは両端の点を選択して入力しましょう。
パイプの径と厚みは「文字」機能で入力します。径や厚みが分からないときはパーツファイルに戻って「計測」機能を使いましょう。
ついでに、側面図に平面間の角度を入力しておきましょう。

エンドミルのスケッチ・寸法入力

次に、エンドミルでのすり合わせ方を入力していきます。


エンドミルの側面図にあたる長方形を作成し、すり合わせ面(画像の赤線)に一致するよう拘束をかけます。
エンドミルの径(すり合わせる面の直径)を入力し、スケッチを終了します。

この後、エンドミルについての寸法を書きます。
直径角度中心線を記入しましょう。
直径については寸法編集画面で「エンドミル径 Φ25.4」などと補足してあげると良いです。直径はΦ記号を忘れずに。
中心線は忘れがちなので注意。
また、エンドミルで削る量(長さ)も記入しましょう(上の画像の「37.5」)。パイプの端部から、エンドミル外径とパイプ外径の交点までの距離を書きます。フライス盤でパイプを削り始めてから何mm削ればいいかということを表します。

細かい設定:線種の変更(必須ではない)

あとは細かい設定をしていきます。
エンドミルが実線だと部品の線と勘違いしがちなので、破線に変更します。
スケッチを右クリックし、「プロパティ」→「線種」から「破線」を選択しましょう。

あとは、これをすべてのすり合わせ面について繰り返します。

繰り返した様子。慣れるまでは大変。

細かい設定:部品表の挿入(必須ではない)

使用している素材等を示すため、部品表を挿入しましょう。
「注釈」タブの「パーツ一覧」を選択し、ビュー(図面のこと。赤矢印の箇所)をクリックして「OK」を押すと、部品表が配置できるようになります。
画面下に配置したあと、「注釈」タブ右上の「規格に準拠」をクリックして、「UTFF Item Block」に切り替えてください。

細かい設定:表面粗さの表記(必須ではない)


最後に、表面粗さを指示します。表面粗さについての詳細は各自で調べてください(http://kousyoudesignco.dip.jp/seizu7.htmlなど)。
今回は、算術平均粗さ(Ra)が6.3μm以下となるように加工(するということに)しましょう。
「注釈」タブの「面の指示」をクリックし、図面の上で「左クリック」の後「右クリック」して「続行」を押してください。
その後、上の画像2枚目のように「サーフェスタイプ」や「その他」を選択し、Aの欄に「Ra 6.3」と記入してください。
※なお、サーフェスタイプの記号は「除去加工(=フライス等での削りだし)指定なし」、その他の記号は「大部分が同じ表面性状であること」を示します。詳しくは調べてください。

これで全作業終了です。大変お疲れさまでした。

作成した図面は、「UTFF Skywave/351.UTFF20/Frame/図面/Pipe」内に保存してください。
これをすべてのパイプについて繰り返していきます。苦行です。

よくある疑問

作業軸が作成できない

うまく作業軸が作成できないときは、大体の場合「曲げパイプに合わせたすり合わせ面」のときです。こればかりはどうしようもないので、あきらめてください。
図面上には、「引出線注記」を使い、「グラインダですり合わせる」と記入してください。
引出線注記は、右クリックして続行を押す(または同じ場所でダブルクリックする)ことで文字入力画面に入れます。
製作時は根性で作ります。

端部の形状が複雑、すり合わせの量が多すぎる

いくつものパイプが集まるノードについては、3つや4つのすり合わせ面が片側に集まることがあります。
これをすべて図面に起こすのはキリがないので、3つ以上のものについては「細部はグラインダですり合わせる」というように引出線注記を書いておいてください。
ただし、その場合にも切削量上位2つくらいのすり合わせについては図面を作成してください。

角パイプ・曲げパイプの書き方

角パイプについては基本的には同じ描き方でOKです。
注意すべき点は、パイプ径・厚みの書き方を「□25×25×t1.2」のように表す点です。
できるだけすり合わせを記入してほしいですが、すり合わせが書けないところについては「グラインダですり合わせる」としておいてください。

曲げパイプについては、端部のすり合わせ方法に加え、正面図で曲げ半径・曲げ角度を指定します。
「351. UTFF20\Frame\図面\Pipe\サンプル\30101-41.dwg」が曲げパイプのサンプルではありますが、これを見ただけでは難しいかと思うので、うまくできなければ相談してください。

(参考)事前準備:iPropertyの設定

図面の右下の表題欄に掲載する情報は、「iProperty」としてフレーム1本1本のiptファイルごとに設定されています。このiPropertyを一括編集するために、以下のような操作を行う必要があります。
今回はすでに設定を済ませているので、各個人でこの操作を行う必要はありません。参考のために説明しておきます。

まず、図面を作成したいパーツ・アセンブリファイルの上位にあるアセンブリファイルを開きます。フレームの場合は、フレーム1本1本をアセンブリしたFrame.iamを開けばよいです。

アセンブリファイルで、「部品表」ボタン(上画像の赤丸)をクリックすると、部品表が表示されます。ここでは、アセンブリに配置されているパーツ・サブアセンブリの情報を一覧・編集できます。

部品表の画面の最下部にある、「インポート」をクリックし、「351.UTFF20\UTFF template&library」というフォルダの中にある「部品表テンプレート.xml」を開きます。これにより、部品表の設定(表示項目とか)をインポートできます。
表示を「構成」または「パーツのみ」に切り替えます。(無効)となっている場合は、右クリックして「部品表ビューを有効」にチェックを入れてください。

あとは、表に必要な内容を入力していきます。入力内容が多くて大変ですが、範囲選択からのCtrl+Vとかはちゃんと使えるので、工夫して入力すると良いです。

項目」「部品番号」…部品の通し番号を入力します。番号の規定についてはコストレポート作成時に説明するので、今は入力しなくていいです。ただし、適当に重複しない数字・文字を入力しておくのが吉です。(同じ部品と判定されて行が結合されてしまうので)
タイトル」…部品の名称を入れてください。
サムネイル」「部品構成」「数量単位」「数量」…今はいじる必要はありません。部品構成は地味に重要なのですが、後日改めて解説します。
個数」…部品の個数を入力します。大体の場合「数量」のコピペでいいですが、数量が長さとかになっている場合は手入力してください。
質量」…画面上側にある⚡マーク(マスプロパティを更新)のボタンを押すと更新されます。
材料」…ここで材料の設定をすることも可能です。未設定(「一般」)となっているものは変更してください。
素材形状」…名の通り素材の形状を入力します。パイプなら「Pipe」「Rectangle Pipe」、板・ブロック材なら「Plate」、丸棒・六角棒なら「Rod」「Hex Rod」といった具合です。
工程」…加工時にもっていく工場を指すものらしいです。木型工場→鋳物工場→機械加工工場 なら「木イキ」と入力します。大体の場合、機械加工のみで作れるので「キ」としておけば問題ありません。JISに無いのに慣例で書かされるクソ項目
設計者」「作成日」…設計者と作成日を入力します。設計者は漢字のフルネームを推奨します。作成日は基本は特にいじる必要はないと思います。
説明」…何かあれば書きます。基本は特に書かなくてよいです。
履歴」…事後の設計変更などあればここに数字を書くのですが、よくわからないので空欄でOKです。
処理」…特別な熱処理などあれば書きます(歯車系の歯先高周波焼入れなど)。基本は空欄で大丈夫です。

入力できたら、「完了」をクリックし、アセンブリファイルを保存します。